気になる症状


・ 顔がむくむ

顔にむくみ(浮腫)がくる場合、最初に現れるのは目のまわりです。ことに起床直後にめだちます。自分でもまぶたがどんよりと重いことに気がつきます。
軽い場合には、起きて動いているうちにわからなくなります。(そのときには、むくみは足に移動します)。
むくみの二大原因は心臓病と腎臓病ですが、顔のむくみは腎臓病に多いとされています。しかし、どのような原因のむくみでも重くなれば全身にむくみが現れ、当然、顔にもむくみがきます。
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・ くちびるが紫色になる

くちびるが全体として青紫色になるのはチアノーゼの徴候です。
よくみると、頬や鼻のさきや耳たぶなどに、とくに目立ってそのような色調がみられるはずです。
チアノーゼは毛細血管内の血流が酸素不足になった状態です。寒さなどで一時的現象としておこることもありますが、重要なのは心臓病や肺の病気の症状として現れた場合です。
なお、くちびるの内面や歯肉に青みがかった褐色の斑点が現れる病気があります、アジソン病といって、副腎皮質の働きが悪くなる病気です。この病気では皮膚の色が全般的に黒くなります。また血圧が異常に低くなり、極端な疲労感におそわれます。
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目の中に光ったものが見える

正常な場合でも、ふとんをかぶって、真っ暗な状態にしておいて眼球を押すと、色の動きが感じられますが、これと同じような症状が自然におこることがあります。このような症状は、網膜や脈絡膜の病気で、網膜外層が刺激をうけているときにみられますが、原因がわからないこともあります。視野のなかに泡のようなものが見えたり、ごく小さな影が見える場合は硝子体混濁(飛蚊症)の可能性があります。


視野が狭くなる

視野に、小さな水玉が連なったような、あるいはカエルの卵がつながったようなものが見え、それが視線の動きにつれて、あちこちに動きます。
蚊が飛んでいるようなところから飛蚊症(硝子体混濁)といいます。
中年になると、かなりはっきりと、この症状を訴える人が増えてきますが、これは老眼鏡の度が合わないことが原因だったということもあります。
飛蚊症のような訴えが2〜3個ではなく多数みられる場合は硝子体の中に、なにか滲出物が出てきていることが考えられます。
原因としては、硝子体出血、高度近視の副症状、または網膜剥離の初発症状、あるいはワイル病による眼症状などが考えられますので、眼科医の診断を受けるほうがよいでしょう。




耳鳴りがする

耳鳴りが気になるときは、まず、@片耳か両耳かA日中でも気になるか、あるいは夜静かなときにだけ気になるかB耳の聞こえは悪いか悪くないかCめまいがあるかないか、などの要点をあてはめてみます。

◎病気でない耳鳴り
   ・精神的疲労時の耳鳴り
     家庭内の心配ごとや気の抜けない、頭を使う仕事が重なって、寝
     つきも悪くなると、両耳にじ〜んとした耳鳴りを感じます。
     低血圧の人には耳鳴りがでやすいようです。原因を早く処理する
     ことが治療になります。
   ・老人の耳鳴り
     年をとるに伴い、いわゆる老化現象という避けられない事実が、
     体のいろいろな部分に出てくるのですが、耳に関しては、実際に
     耳の聞こえの悪さが自覚される前に、まず耳鳴りが気になるよう
     になります。
   ・老人の難聴
     内耳の老化現象で、耳鳴りもつきまといます。薬では治りません。

◎注意を要する耳鳴り
   ・細かい耳あかが鼓膜に密着しておこる耳鳴り
     頭を動かしたり、ものをかむ時に、がさがさと音がします。治療とし
     ては、耳あかを洗い出したり、吸い取ったりします。
   ・薬の副作用の耳鳴り
     ストレプトマイシン、カナマイシンの注射を続けるときに注意をする
     のは、副作用の難聴ですが、まず、耳鳴りが先に現れます。
     ただちに聴力検査を受け、薬を続けるかどうかを検討します。
   ・聞こえも悪いし、耳鳴りもする
     急性・慢性・惨出性の中耳炎、あるいは耳ヘルペスなどが疑われ
     ます。耳に打撲や近距離の爆発音をうけたあとは、鼓膜裂傷を
     検討します。
   ・聞こえも悪く、しだいに大きくなる耳鳴り
     耳硬化症、梅毒は両耳の耳鳴りがあり、聴神経腫は片耳にあり
     ます。聴力検査でわかります。
   ・聞こえも悪く、めまいもある
     メニエール病、突発性難聴、耳硬化症や聴神経腫瘍の病気の進
     行したもの、あるいは内耳炎などが考えられますから、ほかの
     症状とあわせて検討します。


唾液が多くて困る

唾液は睡眠中は少なく、起きている時、とくに人と話をしたり、食事をしている時には多くなります。また、おいしそうなものを見たり、いおいをかいでも多くなりますが、これらはすべて生理的な現象です。一日に分泌される唾液の量は1〜1.5リットルもあります。
まれに唾液が多くて、とくに話をしていると唾液のあわがたくさんできることがありますが、これは自律神経の作用で、心配になるものではありません。


口の中にしこりとこぶができる

その多くはのう胞か腫瘍によるものです。のう胞の場合は水性の内溶液を入れた軟らかいこぶで、破れて内溶液が出ると小さくなりますが、まもなくまた、ふくれてきます。腫瘍には良性と悪性があって、良性のものは、ゆっくりとだんだん大きくなっていきます。悪性のものは大きくなる速度が早く、また表面がくずれて潰瘍ができるものが少なくありません。
特殊なものでは、梅毒性のしこりや潰瘍もあります。


ふけが多い

皮膚の最外層にある角層細胞は毎日少しずつ脱落していますが、角層細胞は非常に小さく、目で見ることはできません。
頭の地肌に何らかの原因で炎症がおこったりすると、表皮の代謝が早くなって、角層細胞は塊をつくり脱落します。この塊がふけで、目で見ることができます。

◎脂っぽいふけ症
脂漏性湿疹のときに多くなります。地肌が赤くなってふけが多くなるもので、皮膚の微生物もふえてきます。脂漏性湿疹と似た病気で尋常性乾癬がありますが、これはほかの体部の状態を観察したり、組織の顕微鏡検査が必要のこともあります。

◎乾燥したふけ症
アトピー性皮膚炎が頭皮に発症すると、乾燥したふけが多くなって、かゆくなります。また魚鱗癬が頭皮にできても同じようになります。
そのほか、炎症がおこってふけが多くなるものとしては、整髪料や養毛剤による接触皮膚炎や、内因性の湿疹などによるものもあります。

◎ふけが固まって厚くなるもの
頭の地肌に白癬菌が寄生して毛根に沿って深く皮膚にはいり、その部分にふけの塊ができることがあります。


皮膚が黄色になる

ミカンをたくさん食べても、てのひらなどが黄色くなりますが、この場合、目の白目は黄色くなりません。白目が黄色くなったり、体全体が黄色くなれば黄疸です。
黄疸は前ぶれとなる症状があります。
つまり、肝臓自体の病気、胆汁の流れる道の閉塞などが原因となりますが、発熱があったり、嘔吐、悪心、腹痛があったりするものです。
また、黄疸になると激しいかゆみにおそわれることがあります。
黄疸やミカンの食べすぎでおこる黄色化は、皮膚表面の変化はありませんが、皮膚の一部が隆起して黄色となるものがあります。黄色腫といって、皮膚の中にある細胞が、血液中あるいは組織中の脂肪分を食べてしまって腫瘤をつくるものです。まぶたに現れるのを眼瞼黄色腫といいます。


手足が冷える

体温は下がらないが動脈硬化が原因にも。

手足の冷えは日常的によく聞く訴えですが、神経学的には問題にならない症状のひとつです。
手足の循環障害などで起こることもありますが、実際には、手足の体温が下がっていなかったり、逆に熱感を訴える場合にも、ほとんど問題はありません。

◎原因とその対応
このような訴えで実際に問題になるのは、皮膚の変色を伴ったり、筋の痛みがあったり、なにもしなくても痛む(自発痛)場合です。
手足の抹消血管の閉塞や狭窄が考える場合は、血流を超音波で診断し血行再開術や血管拡張薬などを用います。
また、中高年になって、多かれ少なかれ動脈硬化病変が認められる場合、日常で問題になるのは喫煙です。
喫煙は、動脈硬化で血管が閉塞する重要な原因として知られており、禁煙によって症状が軽減することはよくあります。呼吸器疾患をはじめ、他の病気にとってもよくない習慣ですから、禁煙すべきと考えます。


トイレが近い
●尿意を感じるわけ

尿は腎臓でつくられ、いったん膀胱(膀胱)にためられた後、排泄されます。膀胱にためることのできる尿の量は、通常、最大450〜500mlほどですが、ふつうは膀胱に尿が200〜350mlぐらいたまると、その刺激で膀胱内の圧力が高まり、その信号が大脳に伝わって尿意を感じます。腎臓、膀胱、あるいは脳神経などに、なんらかの異常があると、このシステムがうまく作用しなくなります。

●1日あたりの尿と回数

排尿の回数や分量は、気候や摂取した水分量、精神状態によって変化します。健康な人の平均的な回数は、おきているときで10回以内、眠っているときは50歳未満だと0回、50〜60歳では1回ぐらいです。尿の量は、1日トータルで1000〜1500mlが平均的な量です。これより回数が多い場合を頻尿、分量が多い場合を多尿、逆に少なすぎる場合を乏尿といい、いずれも排尿時の痛みや尿のにごりに注意が必要です。

●尿とにごりで健康状態がわかる

尿は体が健康でどこにも異常がないときは、淡黄色か黄褐色で、にごりがなく透きとおって見えますが、お酒や水分をいつもより多めにとって尿が多くなった場合などは、色が薄くなります。逆に、ほとんど水分をとらなかったり、運動でたくさんの汗をかいたり、発熱や下痢、嘔吐などで水分が失われたときなどは、色が濃くなります。また、尿がにごるのは、何らかの細菌に感染し、尿道炎や前立腺炎などをおこしている疑いがあります。

●赤い尿が出たら

尿の色の変化で、いちばん気をつけたいのは、尿が赤く染まる血尿です。血尿は、肉眼ではっきりとわかる場合もありますが、潜血と呼ばれる尿検査ではじめてわかるものもあり、原因となる病気もさまざまです。また、病気ではなく、飲んでいる薬などのせいで、尿が赤くなることもあります。たとえば下剤としてつかわれるソルベンやセンナ、抗結核薬のリファンピシンなどを服用していると尿が赤くなります。

●血尿が出たら重大な病気の疑いも

血尿の原因の多くは、尿の通り道である腎臓から尿道までの間に、何かのトラブルが発生した場合ですが、まれに膠原(こうげん)病や白血病といった出血しやすい全身性の病気のこともあります。自分の目でわかる血尿に、激しい痛みを伴うときは、尿路系の結石が疑われます。また、血尿に加え発熱、排尿後の残尿感と頻尿があれば、膀胱炎の疑いがあります。痛みがない場合は慢性じん炎、あるいは腎臓や膀胱、前立腺のガンなどが考えられますので、早めに病院で診てもらいましょう。

●量があまりにも少ないとき

水分の摂取量をおさえたり、下痢や嘔吐といった原因がないのに、1日の尿量が500ml以下で顔や手足がむくんでいたら、急性じん炎やネフローゼ症候群といった、腎臓の病気か心不全の疑いがあります。また、お腹がふくれて腹水という水がたまっているときは、肝硬変や腹膜炎をおこしている可能性がありますので、すみやかに診察を受けましょう。

●量が多くて、あまりにも喉がかわくとき

水分のとりすぎや利尿剤を服用しているわけでもないのに、多尿が続くようなら、糖尿病の疑いが考えられます。この場合、1日の尿の量が3000〜5000mlに達することもあり、昼夜を問わずのどが渇いて水をガブガブ飲み、尿は甘ったるいにおいがして泡立つのが特徴です。また、脳下垂体から分泌される利尿ホルモンが不足して発症する尿崩症でも、同じように多尿やのどの渇くなどの症状がでることもあります。









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